イタリア人から見た日本の美

「とても美しく、ミステリアス。私が日本人に対して抱いている印象だよ。」この言葉との出会いがブランドの発想の原点になったのだと、後から振り返って思います。

唐突ですが、あなたはどんな自分になりたいと日頃から考えていますか?
例えば、かっこよくありたいだとか、かわいくありたい等、さまざまな想いがあるかと思います。当時30歳だった私は、確固たる理想像はなく日々を過ごしていました。そんな平凡な自分を変えたいと思い、海外への一人旅を決意。思い入れのあったイギリスへ向かうことに決めました。

現地では困ったことがあっても言葉が思うように人に伝わらず、右も左も分からないまま彷徨う過酷な旅でしたが、あるイタリア人との出会いが私の運命を変えることになります。

「あなたはどこからきたの?」

彼の問いかけに対し、カタコトで「日本だよ」と答えると、日本人に対する印象や思い出を彼は語ってくれました。

その語りの中で紡がれた言葉が、「Beautiful and Mysterious」。
今まで築いてきた常識の中では考えもつかなかった表現への驚きと憧れが混ざった感覚に満たされ、今の自分に足りないものは何なのか、この言葉に相応わしいアイデンティティをもった自分になるにはどうすればよいのか、真剣に考えるようになりました。

日本に帰ってからの3年の歳月と数々の人との出会いを経て、一つの答えに辿り着きました。それが、アクセサリー装着による、自分らしさの表現です。しかしながら、市販品のいずれも私が求めているイメージとはかけ離れていました。世の中に無いなら作るしかない。そう思い立ち、まったく未知のアクセサリー創作に挑みました。

ダークな笑みを
持つシンボルに至る
道のり

当初のロゴは、今のデザインとはかけ離れたものでした。美しいものや神秘的なものは形にできても、それらが両立する魅惑的なデザインがどうしても作れなかったのです。そこで原点に戻り、美しさとは何か?神秘的とは何か?紙に思いつく限り書き出し試行錯誤を繰り返したところ、1つの答えに辿り着きました。それが、「ダークスマイル」です。その着想を念頭に置きゼロからアクセサリーを作り直した結果、求めていたデザイン sMile に辿り着きました。

不思議な魅力を
感じるブランドに

デザインのイラスト、サイズの計算、加工など一つのアクセサリーを作るまでに沢山の工程があります。
その工程の一つ一つに在る意味を作品に吹き込むことで、「不思議な魅力を感じるブランド」の実現を目指しています。「あ、これ好きかも」と思って商品を手に取って頂くことが叶えば、デザイナーとして至上の喜びです。アクセサリーを通じて生まれる人々との出会いを楽しみにしながら、これからも作品を作り続けます。

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